いつもながらの三船バカ。
どうしても、というか
やっぱり、菊千代についてアーだ、コーだ言う事が多い。
しかし、その理由は解らん!
カッコよさだけで言うと「桑畑」や「椿」の“三十郎”に
軍配が上がり、勿論その他にも
たくさんカッコいい三船はいるのだが
この菊千代だけは何故か自分の中では特別な存在となっている。
何故、特別なのか?
何故、そんなにも“汗臭いモンスター”が好きなのか?
計算されているんだが、計算されていない。
無茶苦茶やっているんだが、無茶苦茶ではない。
ある意味、乱暴な言い方になってしまうかもしれないが、
おそらく“そういう所”に魅力を、
とてつもない才能を感じるからだと思う。
(あいかわらず、漠然としているか?)
普通、人の顔にはまわりの景色は
写らないが、三船の顔を見ていると
その三船の周りの景色が想像出来る。
モノクロ映画だからモノクロ?
いや、とてつもなく鮮やかな
フルカラーで目に浮かぶ。
それほど、周りに溶け込んでいるのかどうかは解らない。
ただ、感じるのは
周りの木々や土、稲、川との
一体感の様な物は解る…。
ような気がする。
本当に当たり前な話だが
“あっ、今思いっきり息を吸ったな”だとか
“あっ、今この目で山を空を見ているな”などと言う
本能の部分を、臭いを、日頃忘れている何かを
その“圧倒的な汗臭さ”から感じ取る事が出来る。
こんな事を感じるキャラクターはそういない。
もはや、これは理屈ではない。
三船バカ特有のカメラに写る“心霊写真?”なのかもしれない。
“与えられた役をうまく演じる”
なんていう次元ではない。
“書かれたセリフを感情を込めて声に出す”
なんていう次元でもない。
今、自分がしなければならない事はそういう事なのか?
また、出来るのか?
全く、何を言うとんのや、この俺は。
いや、この三船バカは………。